伸展型腰痛は、「腰を後ろに反らすと痛い」「イスに長時間座ってから立ち上がる時に痛い」といった動作時におこる腰痛です。
では、さっそく伸展型腰痛の発生メカニズムを説明していきます。
「脊柱の生理的弯曲」って、何?
人の脊柱は24個の椎骨(7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎)と仙骨・尾骨が積み重なって構成されています。そして、脊柱は生理的弯曲という自然なカーブを成長過程で身に付けることによって、効率的に立位姿勢を保つことができるようになっています。
頸部のカーブは前方に凸、胸部は後方に凸、腰部は前方に凸、仙骨・尾骨は後方に凸というような弯曲をしています。ただし、このカーブは成長過程において手に入れるものなので、日頃(特に成長期まで)の姿勢や身体の使い方、筋肉の付き方などによってそのカーブの程度は人それぞれです。大きすぎても小さすぎてもいけません。
伸展型腰痛の場合は、腰部の前方凸カーブが大きくなりすぎるような動きや状況で発生します。この時、上下の腰椎間の椎間関節で圧迫ストレスが増大して痛みが発生します。
*「脊柱管狭窄症」も身体を反らした時に痛みが出たりしますが、これに関しては別で説明いたします。
お腹のインナーマッスルが縮んでいませんか?
伸展型腰痛は上記のように脊柱腰部のカーブ(前弯)が大きくなりすぎた時に発生するのですが、身体を後ろに反らす動きは普通、腰部だけでなく胸部や股関節も動かして反らします。
なので、特にお身体に問題がない方であれば、普通の生活の中で腰を反らしても痛みは出ません。又、イスから立ち上がる時に痛みが出ることもありません。
伸展型腰痛の原因
「伸展型腰痛」を起こす方には身体的特徴(原因)があります。
①「腸腰筋及び大腿直筋」の短縮・緊張
腰椎から股関節を跨いで大腿骨の内側に付着するインナーマッスル「腸腰筋」が縮んでしまっています。これにより骨盤は前方に傾き、股関節は伸びにくくなります。
また、骨盤から膝までつながる「大腿直筋」が縮んでも骨盤前傾になります。
その結果、身体を反らそうとすると腰椎が過剰前弯になり、腰痛が発生。
イスに座るのも股関節は曲がった状態になりますので、これらの筋肉は縮みます。これが長時間になると筋肉は縮んだまま固まってしまうので立ち上がろうとしても筋肉はすぐには伸びません。
②「腰部後面筋」の短縮・緊張
立位で姿勢の保持に働く筋群「脊柱起立筋」は脊柱の左右両側を骨盤から頭部まで繋がっています。このうちの腰部の筋肉が短縮すると腰椎前弯とともに椎間関節が狭まり、腰痛が発生。
③「腹横筋」の弱化
腹筋群の一つである「腹横筋」は腰椎の前面にあり、腹圧を上げることで腰椎の過剰前弯を防ぐ働きがあります。元々、腹筋の筋力が弱い方や妊娠・出産で腹筋が弛んでしまったりすると腰椎の過剰前弯を抑えつけることができなくなり、腰痛が発生。
④「大殿筋や大腿後面筋」の弱化
大殿筋と大腿後面筋は骨盤を後方に傾ける作用があります。これらの筋肉が弱化すると、骨盤は前方に傾き、腰痛が発生。
⑤猫背姿勢
猫背は胸部が後弯した状態でクセづいてしまっているので、胸部を反らす動きが苦手になります。したがって、身体を反らす動きは腰の負担を増大させ、腰痛が発生。
江南健生堂の整体
上記しました「伸展型腰痛」を起こしやすい方の身体的特徴の有無を検査し、それらの特徴がみられる方には、それに合わせた整体を行っていきます。また、セルフケアの方法(ストレッチや筋トレ法)をアドバイスいたしますので、ご家庭で実践してください。
お電話ありがとうございます、
整体院 江南健生堂でございます。